2016.6.6 東北大学問題での記者会見の概要 |
わたしたちは、首都圏の大学等教育機関に非常勤・兼任で勤務する教員・職員のための労働組合です。雇用の問題はじめ職場でのハラスメントなど、困ったことがありましたらご相談下さい。
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2016年 06月 11日
2016. 6. 6. 記者会見 首都圏大学非常勤講師組合・東北非正規教職員組合 東北大学3200名雇い止め通告の概要 (記者会見の質疑を踏まえ一部修正) ○ 2016年6月6日 記者会見資料(PDF) 【教職員の構成】 正職員4686名、非正規5771名。非正規教職員が多数。 非正規の内訳は、特定有期職員(有期契約の常勤職員)1621名、再雇用職員122名、準職員(フルタイム)1721名、時間雇用職員(パート)2307名。 *2015年5月1日現在、人数は東北大職組2015年度定期大会議案による。 無期転換される予定の非正規職員約400人 (准職員や時間雇用職員のうち法人化以前から勤務している人など) 雇い止の対象となりうる非正規教職員3243人 (准職員1493人、時間雇用職員1750人) 就業規則では非正規の職員と教員とが一括されているので、非常勤講師を含む。 時間雇用職員の職種(事務補佐員、技術補佐員、技能補佐員、臨時用務員、リサーチ・アシスタント、ティーチング・アシスタント、特別教育研究教員、教育研究支援者、産学連携研究員、研究支援者、科学技術振興研究員、事務補佐員(科学技術振興)、技術補佐員(科学技術振興)、リサーチ・アシスタント(科学技術振興)、厚生科研費研究員、事務補佐員(厚生科研費)、技術補佐員(厚生科研費)、技能補佐員(厚生科研費)、寄附講座教員、寄附研究部門教員、実務家教員(教授または准教授)、非常勤講師、サイエンス・エンジェル、医員、医員(研修医)、スチューデント・ラーニング・アドバイザー、グローバルキャンパスサポーター、アドミニストレイティブ・アシスタント(以上、就業規則掲載の別表より引用)。 部局推薦の「無期転換候補者」の数は、不明だが、ごく少数と推測しうる。 【経過】 ○2012年 雇用の安定のため労働契約法改正、有期契約の労働者が5年以上継続勤務した場合、無期転換申込権が生じることに。 ○2013年4月1日 改正労働契約法施行 (この日から5年を超えて継続勤務した場合、無期転換申込権が生じるようになった)。 この時点では、東北大学に5年上限はまだ存在していない。 この時点では、1年ごとの更新で3年上限とされていたが、実際には5年を超える人が40%、3年以上が半分以上いると見込まれ状態で、厳密な一律の上限は存在しなかった(2014年8月6日東北大職組団交記録より)。 ○2014年1月 部局長連絡会議に東北大学は、「改正労働契約法を踏まえた対応方針案の概要」を提出。「准職員と時間雇用職員について、通算契約期間の上限は原則として5年(研究開発力強化法による労働契約法の特例の対象となるものについては10年)以内とする」との記載。 ○2014年2月20日 大学は、東北大職組(専任中心の組合)に対して、「今後、時間雇用職員就業規則は、通算契約期間は5年以内とするという改正を予定している」と回答。 その後、就業規則の変更前に、当該の非正規労働者に対して具体的な説明はなく、その意見を聞くどころか、職組との労使協議さえされた形跡がほとんど見当たらない。労働者過半数代表の選出も行われたどうか不明。また、労基署に提出した就業規則に過半数代表の意見書が付いていたかどうかも不明。 ○2014年4月1日 関連する就業規則が改訂され、「准職員と時間雇用職員について、通算契約期間の上限は原則として5年(研究開発力強化法による労働契約法の特例の対象となるものについては10年)以内とする」された。つまり、改正労働契約法が施行されてから1年後に、後出しで就業規則を改正し、原則として5年上限が設定され、1年間遡及して2013年4月1日からカウントされることになったことになる。 ○2016年1月25日 東北大職組との団交で、大学は「1980年(昭和55年)7月以前採用の准職員、法人化前採用の時間雇用職員」について「雇用の更新限度がない」と整理されていることを明確に周知することを確認(確認書は2月18日付)。 ○2016年2月16日 東北大当局「准職員・時間雇用職員の無期転換者の選考について」を作成。 ①法人化以前から勤務している元々雇用上限のない非正規職員(約400名)は、引き続き更新の限度なしとされた。 ②法人化後に勤務した非正規職員(約3200名)については、2013年4月1日からカウントして原則5年上限で、雇い止めすると通告した。 ③例外として、部局推薦で「無期転換候補者」となる基準は、「現在各部署に配置されている事務一般職員に替わり同程度の職務を担当させた際に、これと同等、あるいは同等以上の成果を出すと見込まれる者」であることとされた。 ○2016年3月31日 雇用条件通知書に雇い止めの時期を記載。 ○2016年3月22日〜4月6日 無期転換に関する説明会を開催し、説明の文書配布。 ○2016年4月22日 職組がポスター作製「希望する人全員を無期雇用に!」 ○2016年4月26日 首都圏大学非常勤講師組合と東北非正規教職員組合が共同で団交要求。 ○2016年5月 説明会を踏まえた東北大当局の質問と回答が公表される。 ○同 5月31日 首都圏大学非常勤講師組合ブログに「3200名雇い止め問題」の情報拡散開始。 【東北大の5年上限の問題点】 1 東北大当局は、「無期転換制度の活用」と称して、大部分の非正規教職員を雇い止めにし、正規職員と「同等あるいは同等以上」という無理な基準でごく少数の非正規職員のみを「無期転換候補者」としようとしているが、これは、5年以上継続勤務した労働者全員に無期転換申込権を認めた改正労働契約法第18条の趣旨(雇用の安定)に反している。 2012年7月25日の衆議院厚生労働委員会で示された政府解釈によれば、改正労働契約法第18条は「雇用の安定を図るという趣旨で設けたもの」(金子政府参考人)であり、「今回の無期転換ルールの趣旨からしても、5年のところで雇い止めが起きてしまうと、この狙いとは全く違うことになってしまいます」(小宮山厚生労働大臣)とされている。東北大学の就業規則は、まさに「5年のところで雇い止め」にして「雇用期間が無期転換の時期を迎える前に雇い止めをする」ものであり改正法の趣旨と「全く違う」行為である。 (第180回国会 厚生労働委員会 第15号(平成24年7月25日(水曜日))議事録より) 2 5年上限の就業規則は、その作成の手続きにも疑問がある。 たとえば、パートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)第7条では「事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする」とされているが、今回の5年上限の就業規則は、非正規教職員の意見を全く聞かずに作成されている。 また、最近の最高裁判決(山梨県民信用組合事件・第二小判2016年2月19日)では、「労働条件を不利に変更する場合は、〔…〕、変更によってどんな不利益があるかなどを、雇用主から具体的に説明する必要がある」とされているが、5年上限の就業規則の制定の際には、事前の具体的な説明や意見聴取は行われていない。 3 早稲田大学の島田陽一副総長(労働法)は、改正労働契約法の第18条について「本条の施行時期〔2013年3月31日以前〕に有期労働契約の終期〔雇用上限〕を定めることができないと、この猶予期間〔制度整備の準備を含む猶予〕の意義が失われる」(『ジュリスト』2012年12月号)と述べ、5年上限を付ける場合には、少なくとも2013年3月31日よりも前でなければならないという趣旨の見解を示している。実際、早稲田大学は、非常勤講師に5年上限を付けるために、2013年の2月に労働者過半数代表を選出し、3月中に労働基準監督署に意見書を付けた就業規則を労基署に提出している。 ところが、東北大学では、改正労働契約法が施行された2013年4月1日の時点では、明確な上限がなかったにもかかわらず、無期転換を恐れて、2014年1月の部局長連絡会議に「改正労働法を踏まえた対応方針案の概要」が提出され、2014年4月1日に就業規則を変更し、厳格な一律5年上限を決めている。 したがって、後出しで5年上限を設けたという点では、東北大学は早稲田大学よりもはるかに悪質であり、無期転換を逃れるための脱法行為である疑いは、早稲田大学以上に濃厚である。 4 就業規則の変更は、2014年4月1日であるから、5年上限のカウントの開始は、それ以降でなければならない。ところが、東北大学は、1年間さかのぼって、2013年4月1日からカウントするとしており、一方的な不利益変更であるだけでなく、無期転換を逃れるための不利益変更の遡及であり、違法である。 5 東北大を含め、一部の大学は、「法〔労働契約法〕改正により、無期雇用の可能性が広がりました。しかし、基盤的経費が削減された大学にはその要請にこたえる余力はなく」(「学術研究懇談会(RU11)」の平成25年5月の提言)などと言って、財政難を理由に法律を無視することを示唆してきた。しかし、改正労働契約法第18条は、「別段の定めがない限り、申し込み時点の有期労働契約と同一の条件」としており、人件費が増えるわけではないので、財政難は口実にさえならない。 6 東北大学では、非正規職員数が正規職員よりも多いと言われおり、非正規職員の大多数を雇い止めにした場合、職場が大混乱に陥る。それだけでなく、非常勤講師の雇用の不安定化を進めた場合、今でさえ「博士課程の進学数・率が低下し」、「望ましい能力を持つ人材が博士課程を目指していない」(前述の「RU11」の提言)というのに、ますます研究者が育たなくなることは明らかである。 7 大学の公式ホームページには、「東北大学は、被災地域の中心にある総合大学として、復興に全力を傾けていく歴史的使命があります」と書かれている。しかし、必要もないのに3200名を雇用不安にさらすことは、「復興に全力を傾けていく歴史的使命」に反するのではないだろうか。 8 最近の調査によれば、民間の営利企業でも、労働契約法の5年ルールによる2018年の無期転換に備えて、パートや契約社員を、無期契約に変える動きが目立っている(2016年3月11日『朝日新聞』参照)。また、2015年7月のJILPTの調査によれば、「有期契約が更新を含めて通算5年を超えないように運用していく」企業がわずか6.0%(フルタイム有期契約労働者)および5.8%(パートタイム有期契約労働者)しかないのに対して、「通算5年を超える有期契約労働者から申し込みがなされた段階で無期契約に転換」という企業が45.4%(フルタイム有期契約労働者)および50.8%(パートタイム有期契約労働者)であり、「有期契約労働者の適性を見ながら5年を超える前に無期契約にしていく」という企業も19.6%(フルタイム有期契約労働者)および11.1%(パートタイム有期契約労働者)ある。 さらに、大学関係でも、早稲田大学をはじめ、日大、慶応大、明大、法政大、千葉大、一橋大、琉球大など、全国のほとんどの大学が、組合との交渉の結果、非常勤講師に関しては5年上限を撤回し、将来の無期転換を認めている。 有期契約の職員に関しても、徳島大学と信州大学が無期転換を認めている。それ以外にも、国立高等専門学校機構(51校)の就業規則では、「非常勤教職員」の「雇用期間」が5年を超えた場合、労働契約法第18条の規定に基づき、当該非常勤教職員からの申し出により、「雇用期間の定めない雇用」(無期雇用)へ転換するものとする(第13章第54条)と明記されている。 以上のように、財政的に「余力」があるかどうかには全くかかわりなく、多数の企業や教育機関が法令順守の努力をしている。このことに東北大学も学ぶべきである。 <会見概要は以上> #
by uuplt
| 2016-06-11 17:50
| (東北大学)
2016年 05月 31日
東北大学が非正規教職員3200名以上に雇止め通告 改正労働契約法「無期転換」妨害のため「一律に5年上限」 東北大学は、3200名以上の非正規教職員に2年後以降、 その大半は恒常的業務に従事している職場で必要とされている人た 以前は、3年上限が原則とされていましたが、 ところが、大学は、改正労働契約法が施行されると、 東北大学当局は、「優秀さ」 2016年2月16日の文書によれば、正規職員と「同等、 これに対して、東北大学職員組合(http://www.tohokudai-kumiai.org/)は「希望する人全員を無期雇用に」 民間企業では大半が5年で無期転換を受け入れる意向で、 5年で雇い止めにするという悪質な企業は少数派になりつつあります。 国公私立大学でも、 国立高専(全国で52校)は2年後の非正規教職員の無期転換を就業規則に明記しています。 国公立大学は、法人化されたといっても、 当然、改正労働契約法の趣旨を尊重し、2年後には恒常的業務についている希望者を全員無期転換すべではないでしょうか。 とりわけ、東北大学は、 【参考資料】(資料追加:2016.6.1) 1 大学側資料 http://yahoo.jp/box/4mlg1n 2 説明会質疑 http://yahoo.jp/box/CfpX2M 3 団体交渉申入 http://yahoo.jp/box/9t5YeQ ○ 2016年6月6日 記者会見資料(2016.6.10追加) *記事は以上
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by uuplt
| 2016-05-31 00:37
| (東北大学)
2016年 05月 01日
首都圏大学非常勤講師組合 早稲田ユニオン臨時総会 シンポジウム「戦争と学生」ー経済的徴兵制をぶっ潰せー・ご報告 4月30日午後、 【開会挨拶・組合報告】 首都圏大学非常勤講師組合委員長・松村比奈子が開会の開会のご挨拶をした後、早稲田ユニオン代表・大野英士が、 【シンポジウム】 シンポジウムは主催者の予想をはるかに超える充実ぶりを示しました。 白井聡、 (戦時でただ血気にはやる)「 (今の世の中に)「畜生!畜生!畜生!」 (この閉塞的な世の中で無益に頑張るより)「熊と闘って人間の限界を超えよう」 など、この種のシンポジウムではあり得ない名言、迷言が連発され、 しかし、現在の大学の薄ら寒さ、学生・院生・ 賛同人の国会議員からは共産党の田村智子議員、 最後に「参加者一同」による「大会宣言」 【中継・ストリーミング】 臨時総会・ <ストリーミング・アーカイブ> 【閉会後】 なお閉会後、早稲田大学近くで開かれた二次会には、 なお、このシンポジウムを「書籍化」する話も進行中です。 「 #
by uuplt
| 2016-05-01 23:29
| ☆ イベント案内
2016年 04月 30日
日時 2016年4月30 日(土) 会場 早稲田大学(早稲田構内)15 号館102 教室 開場 13:30 開会 14:00 終了 18:30 (予定) 登壇者(敬称略) (基調報告)大野英士 (第1部)白井聡 布施祐仁 マニュエル・ヤン (第2部)高橋若木 栗原康 (第3部)司会:雨宮処凛 第1部・第2部の登壇者 主催 首都圏大学非常勤講師組合早稲田ユニオン分会 *2016.3.18掲出・3.24改訂 戦争と学生― 経済的徴兵制をぶっ潰せ! 学費は目ん玉とびでるほど高いし、「奨学金」は即借金のほとんどヤミ金! 超ブラックなバイトにつかまらないようにしなきゃなんないし、バイトも毎日死ぬほどいそがしい、 そのうえきっつい就活で授業にもサークルにもぜんぜん出らんない! 金がなければ勉強するなといわんばかりで、そのうえ今度は戦争かよ! これじゃ落ち着いて勉強なんてできないじゃん! わたしたちの学生生活はもうメチャクチャ! 【登壇者紹介】 大野 英士(早稲田ユニオン代表) 仏文学者。国立大学法人化の諸事例から新自由主義の問題を指摘した『ネオリベ現代生活批判序説』を共編。主著に『ユイスマンスとオカルティズム』(新評論)。 白井 聡氏 情況への積極的発言を怯まない、「戦後」とは何であったか/ 布施 祐仁氏 新進のフリージャーナリスト。今回、『経済的徴兵制』(集英社新書) マニュエル・ヤン氏 融通無碍に正史を斬り、〈下部〉 高橋 若木氏 最低賃金1500円を唱えるEQUITAS/ 栗原 康氏 ユニークかつ清真な節回しで読者を魅了してやまない思想の旗手。 雨宮 処凛氏 戦争と貧困はおそらく彼女の最大のテーマ。 【賛同人・後援団体の追加】敬称略・追加順 (賛同人) ・山本 太郎(参議院議員・生活の党と山本太郎となかまたち) 2016.3.28 追加 ・中川 悟(日本自治体労働組合総連合書記長)2016.3.29 追加 ・保科 博一(新宿一般労働組合特別副委員長)2016.4.3 追加 ・大西 広(慶応義塾大学教授)2016.4.3 追加 ・斉藤 正美(北見工業大学教授)2016.4.4 追加 ・宮下 武美(足立区労働組合総連合事務局長)2016.4.4 追加 ・室井 真人(東北非常勤講師組合執行委員長)2016.4.4 追加 ・初鹿 明博(衆議院議員・民進党) 2016.4.7 追加 ・桜井 充(参議院議員・民進党) 2016.4.12 追加 ・有田 芳生(参議院議員・民進党) 2016.4.13 追加 ・田崎 英明(立教大学教授) 2016.4.13 追加 ・浜 邦彦(早稲田大学准教授)2016.4.21 追加 ・香山 リカ( (後援団体) ・関西圏大学非常勤講師組合 2016.3.30 追加 ・関西単一労働組合・ ・東海圏大学非常勤講師組合 2016.3.31 追加 ・UTU(The University Teachers Union) 2016.4.17 追加 【チラシのダウンロード(上の画像のもの・印刷用】 #
by uuplt
| 2016-04-30 22:00
| ☆ イベント案内
2016年 04月 07日
首都圏大学非常勤講師組合 記者会見で早稲田大学に対する「 2016年4月16日 2016日4月6日14時より、 同会見では、 会見の内容は、新聞・メディアに大きく報じられました。 弁護士ドットコム https://www.bengo4.com/c_5/n_ 【会見配布資料から】(長文) 早稲田大学との和解とその意義 首都圏大学非常勤講師組合・早稲田ユニオン分会
首都圏大学非常勤講師組合・早稲田ユニオンと早稲田大学とは2015年11月18日に東京都労働委員会の仲介で包括和解協定を結び、また2016年3月28日に主として賃金問題について和解協定を締結し早稲田大学理事会から組合側の「完全勝利」ともいうべき画期的な譲歩を引きだしました。
具体的には、まず、2015年和解において、 1. 2014年3月31日以前から大学に務めている非常勤講師についてはいわゆる「5年上限」を撤廃し、無期雇用を認める。 2. 日本語非常勤インストラクターの5年上限を撤廃し、70歳定年までの就労を認める。 3. また2014年3月から5年上限を理由に雇い止めされた日本語インストラクターについても希望者全員を従前通り最高額の給与で復職を認める。 4. コマ数制限を当面10コマ制限にまで緩和する。 5. 非常勤講師の契約期間をもとどおり3月31日までに戻す。 6. 半期(セメスター制を含む)のみ契約の非常勤講師についても、労契法で認められたクーリング・オフ期間とは見なさず、餞別金支給の対象年に算入する。 7. 商学部で「偽装請負」によってコマを減らされた二人の外国人講師について、相応の金銭補償をする。 8. 外国人講師給の有資格者でありながら、従来日本人講師給を支給されてきた外国人にも、旧外国人講師給に倣って「調整給」を支給する。これによって大学調べで少なくとも100人以上の外国人講師が1コマにつき年収10万程度の大幅な昇給の対象となります。 9. なお、全ての外国人講師が月給制となり、「調整給」も月給に上乗せして支払われる。 10. 日本人講師について、2013年水準での10%賃上げを2年(17・18年の2年間それぞれ前年度比3.3%賃上げ)で達成し、1コマ当たりの月給を30800円(49歳以下)、33110円(50歳以上)とする。 11. さらに2018年から出校手当を1コマ当たり3000円の割合で月給に繰り入れる。これにより1コマ33800円または36110円となる。これで2コマ未満の人にも「不利益変更」なく出校手当の繰り入れが実現し、3コマ以上担当者にはその分の賃上げが実現する。 12. 旧外国人講師給と一般講師給(旧日本人講師給)との差をなくし「調整給」なしで両賃金体系の差を無くすことを「努力目標」とする。つまり完成年度の定めこそないものの、日本人講師給を旧外国人講師給の水準まで引き上げることを「公約」する。(これが実現すれば1コマの上限は、月42800円となる)。 これにより20年前の組合結成以来の目標である1コマ5万円が実現する射程が見えてきましたその他、まだ協定化されていないが団体交渉では以下の点が確認されました。 13. 2016年には間に合わないが、2017年以降は非常勤講師にも健康診断受診を認める。 14. 17年度から1コマを2時間と計算して週20時間を越える非常勤には社会保険・年金への加入を認める。 15. 16年 3月和解に沿った就業規則では、日本語インストラクターの待遇改善については他の非常勤講師並の2%賃上げに留まっていますが、2月の団交の席で島田陽一副総長は、別途、今後の交渉でさらなる待遇改善に向けて考慮する意向を示しています。
これによって2015年和解では、一部を除いて一応2013年以前の状態に戻すことを早稲田側から約束させ、さらに2016年和解では、非常勤講師の賃金について、ほぼ組合の主張通りの要求を早稲田に認めさせたことになります。ちょっと前までは考えられなかった成果で、早稲田闘争は「完全勝利」に一歩近づいたことになります。
ただ早稲田大学では、依然として、未解決問題も山積みしています(以下、問題点を列記)。 1. 2014年4月以降採用の非常勤講師に大学教員任期法で10年の上限が付けられている。 2. 高等学院など附属高校などの非常勤に5年上限が付けられている。 3. 賃金が非常勤講師の半分以下の日本語インストラクターの待遇改善問題。 4. 日本語非常勤講師の労働条件不利益変更、「個人請負」(一人親方)的な働かせ方などが新たに明かとなった。 5. 専任との福利厚生面での待遇格差を無くさせる。 6. 教員証や「科研費」申請等での専任との格差を無くさせる。 7. 組合事務室の供与を認めさせる。 8. コマ減問題をめぐるKさんに対するハラスメント問題処理の異常性。 9. 早稲田アカデミックソリューションの労働条件やハラスメント問題。
ただし今回、組合の要求が大筋で認められたことを評価し、組合が提起していた労働委員会への救済申立、国籍差別による労基署への告訴・告発、裁判等をとりあえず全て取下げました。 これにより早稲田大学と非常勤講師組合との紛争状態は終息し、早稲田大学と非常勤講師組合は今後正常な労使交渉を通じ「両者が協力して早稲田大学の発展に努めていく」ことになると思います。
早稲田大学の「勝利」の効果はすでに他大学にも広がっており、労契法・大学教育任期法等を理由にした5年上限、10年上限の撤廃や雇い止め、減コマなど撤回など様々な形で成果がでてきています。早稲田の「勝利」は3年前には10人に満たなかった組合員がこの間飛躍的に増大し早稲田ユニオンだけで160名、組合全体では500名に勢力が拡大したことが大きな要因です。 雇い止めや減コマ、その他労働条件の「不利益変更」、職場でのセクハラ・パワハラなど、「問題」が起きたときの「保険」の意味でも、まだ未加入の方は是非この機会に「首都圏大学非常勤講師組合」にご加入下さい。
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by uuplt
| 2016-04-07 22:50
| 早稲田
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